「眠れない」サインに隠れるこころの疾患
うつ病・うつ状態にあると睡眠に大きく差し支えます
人は誰でも悲しいことや失敗といった体験すると、落ち込んだりゆううつになりますが、 ほとんどは時間とともにもとに戻っていくものです。
ところが、落ち込んだ気分が長く続き、生活に支障がでる場合には治療の対象となります。
うつ病は統計上では15人に一人は発症するといわれており、複雑化した現代社会において、 生活習慣病と並び特別珍しい病気ではないという認識が広まりました。
しかし、多くの場合、最初からうつ病を疑って医療機関を訪れることは少なく、 大抵の場合は身体の不調と考えて内科をはじめとする一般診療科を受診される場合がほとんどです。
不安、イライラ、眠れない、食欲がない、頭が回らない、焦りが強い、などの症状が伴う場合は単なる気分の問題、いわゆる「気の持ちよう」ではなく、うつの可能性を疑うことも必要です。
気分の症状:気分が落ち込む。自信がなくなる。 思考の症状:集中力、判断力の低下。悲観的で自責的な考え方になる。 意欲の症状:気力がなくなる。おっくうになる。楽しいと感じられずに興味がわかなくなる。 身体の症状:不眠、食欲低下、だるい、肩こり、頭が重い、胃の不快感、便秘、性欲低下。 |
うつ病は、きちんとした治療を受けることで良い方向に向かいます。 治療の基本としては、薬(坑うつ薬)を飲むことと、十分な休養を取ることです。 お一人抱え込まずに、もしかしたら?・・と思った時は当院までどうぞご相談下さい。 |
不眠症の患者さまが年々増加しております
不眠症とは寝つきが悪い、途中で何度も目がさめる、熟睡できない、などの症状が長く続き、慢性化している状態をいいます。
最近、この不眠症をはじめとする睡眠に関する問題を抱える人の数は増加傾向にあるようです。
しかし、睡眠には個人差があるため、7時間以上眠っているにもかかわらず、眠れないと感じる人もいれば、3~4時間の睡眠で平気な人もいます。
つまり、眠っている時間はどうあれ、本人が「眠れていない」と自覚する状態が継続する場合は不眠症と考えられます。
満足に眠れない日が続くと「体がだるい」「日中に居眠りをしてしまう」など、日常生活にさまざまな支障をきたします。
これは本人にとっては大変深刻な問題ですが、これらの悩みを訴えたところで「本人のやる気の問題」と周囲の理解を得ることが困難な場合もあります。
そのため悩みを解消することもできず、ますます眠れなくなるという悪循環に陥ってしまうことが多いようです。
例えば、引越し先や旅先で眠れなくなったという経験について誰しも一度は経験があると思います。 このような一時的な環境の変化や心理的ストレスで数日間眠れないものを一過性不眠といい、1~3週間不眠が持続するものを短期不眠といいます。 これらは、一時的な 発熱などの身体的要因、時差ぼけなどの生理的要因によっても発症し、 原因がわかればそれを解決することで改善されていきます。 しかし、1ヶ月以上にも及ぶものは長期不眠といい、うつ症状との因果関係も認められており、早期に適切な治療を受けることが重要です。 |
不眠症の改善策としては、日中の適度な運動や眠る数時間前に、ぬるま湯での半身浴などでリフレッシュしたりリラックスすることがとても大切ですが、睡眠薬を使う治療(薬物治療)を検討することもあります。 |