「会社に行けない」サインに隠れるこころの疾患
仕事・学校・人間関係がうまくいかない…「適応障害」かもしれません
適応障害とは、明らかなストレス、例えば職場における配置転換や転勤、定年、長時間に及ぶ労働、学生では受験や転校、または友人関係の亀裂、近親者との死別、 離別等によって、抑うつ気分、不安感、不登校、職場不適応、 出勤拒否、対人トラブルなどといった行動面での問題が引き起こされる障害です。
心理・社会的ストレス(環境要因)と個人的素質(個人要因)とのバランスの中で、いろいろなストレス反応(心理反応、行動反応、身体反応)が生じますが、これらは外界からの刺激に適応するための必要な反応です。 ところが、ストレスが過剰な時、個人がストレスに対して脆弱である時に、このバランスが崩れて 様々な障害をきたすようになります。 症状としては大きく3つに分けられます。 |
抑うつ症状
憂うつ・絶望・気持ちが沈むといった抑うつ気分、趣味や娯楽への興味が薄れ楽しめなくなる興味・喜びの喪失といった基本症状を伴います。
また、表情や声に元気がなく、着衣の乱れが目立ったり、身体愁訴が生じたりもします。
さらにはマイナス思考になり、自責的な考え方になります。
不安症状
動悸・過呼吸や、その他の頭痛、腹痛等の自律神経症状、集中困難などが挙げられます。
行動上の障害
苛立ち、対人関係への過敏性、気力低下、思考力・集中力低下、落ち着きがなくなる、他人に対して攻撃的な態度をとることもあります。
生活のうえでは、仕事の停滞や怠学、過剰飲酒などの問題行動があります。
そして、次第に対人関係、社会的機能が不良となり、ひきこもりといった行動が生じることがあります。
ストレス因子を取り除くように環境的な要因について調整します。 ストレス因子が持続する場合には、ストレス因子に対して新たな適応を達するようにはかっていきます。 特定の症状に対して、短期間の薬物療法を行うこともあります。 |