「お腹が痛くなる」サインに隠れるこころの疾患
「過敏性腸症候群」原因は食べ物でなく、緊張やストレス
「緊張してきたらおなかが痛い…」とか「あれ?食べたばっかりなのにもう下腹が張ってる?」なんてことはありませんか?内科で検査を受けても異常はないのに、緊張やストレス、食事などをきっかけに腹痛や下痢など腸の異常が続く病気です。内科・消化器科を受診され、改善がなく心療内科へ転科したり、両方での受診をされている患者さまも多くいらっしゃいます。
個人差・男女差はありますが、おおむね下記のような症状が現れます。 腹痛や消化器の症状だけでなく、他の心身的な症状も伴うのが特徴です。 便通異常:便秘・下痢、または両方が交互に繰り返されます。 |
検査を受けても消化器にはポリープなどの物理的な異常は見つからず、それでも数週間〜数ヶ月と症状が続く場合にはこの「過敏性腸症候群」が疑われます。
出勤中や乗り物の中で「近くにトイレがない」「お腹の鳴る音やおならが他の人に聞こえてしまう」などの状況も不安や神経質になってしまう原因を作りやすく、余計に悪循環を引き起こします。
「命にかかわる病気ではないので、ゆっくり少しずつ直していこう」という気構えが大切です。「食事や生活指導」「薬による治療」「心理的治療」の3本が治療の中心となります。 食事や生活指導:生活を見直し、バランスのよい食と排泄習慣を作りあげます。 薬による治療:整腸薬や抗不安薬を使用し、おなかにも神経にも働きかけます。 心理的治療:カウンセリングなどを合わせて行い、ストレスをやわらげます。 |